2026年4月、厚生労働省より「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正が公表され、2026年10月1日から新たなルールが適用されます。
今回の改正では、
- 退職金
- 家族手当
- 福利厚生
- 説明義務
などについて、企業に求められる対応がさらに明確化されました。
特に、
- パート社員
- 契約社員
- 有期雇用社員
- 嘱託社員
など非正規雇用労働者を雇用している企業では、就業規則や賃金制度の見直しが急務となっています。
大阪綜合労務管理事務所では、大阪府内を中心に多くの企業様から労務相談をいただいておりますが、近年は「同一労働同一賃金」に関する相談が急増しています。
本記事では、今回のガイドライン改正のポイントと、中小企業が今すぐ取り組むべき実務対応について、社労士の視点からわかりやすく解説します。
同一労働同一賃金とは?
同一労働同一賃金とは、正社員と非正規雇用労働者との間で、不合理な待遇差をなくす制度です。
厚生労働省はガイドラインの中で、
- 基本給
- 賞与
- 各種手当
- 福利厚生
- 教育訓練
などについて、どのような待遇差が問題となるのかを具体的に示しています。
つまり企業には、
「なぜ待遇差があるのか」
を合理的に説明できることが求められます。
なぜガイドラインが改正されたのか?
制度施行後、多くの裁判例や企業実務の課題が蓄積されました。
特に問題となっていたのが、
- 退職金
- 賞与
- 各種手当
に関する待遇差です。
最高裁判決などを踏まえ、厚生労働省は今回、より実務に即した形でガイドラインを改正しました。
【重要】2026年改正のポイント
① 退職金(退職手当)の考え方が明確化
今回の改正で最も注目されているのが、退職金に関する記載です。
これまで、
「非正規社員には退職金なし」
としている企業も多くありました。
しかし今後は、
- 職務内容
- 責任範囲
- 配置転換の有無
- 長期勤続への貢献
などを踏まえ、合理性を慎重に判断する必要があります。
つまり、
“昔からそうしている”
という理由だけでは認められにくくなっています。
② 家族手当の待遇差にも注意
今回の改正では、家族手当に関する考え方も追加されています。
例えば、
- 扶養家族がいる
- 同程度の勤務実態である
にもかかわらず、
- 正社員だけ支給
- 非正規社員には不支給
としている場合、不合理と判断される可能性があります。
③ 福利厚生の均等待遇がさらに重要に
改正ガイドラインでは、
- 食堂利用
- 休憩室
- 慶弔休暇
- 健康診断
- 福利厚生施設
などについても、均等待遇・均衡待遇の考え方が強調されています。
特に中小企業では、
「正社員だけ慶弔休暇あり」
などの制度が残っているケースも少なくありません。
早めの点検が必要です。
④ 説明義務への対応強化
企業には、非正規雇用労働者から待遇差について説明を求められた場合、説明する義務があります。
今後は、
- 就業規則
- 賃金規程
- 人事制度
の整備だけでなく、
“説明できる状態”
にしておくことが非常に重要です。
企業が今すぐ行うべき実務対応
就業規則・賃金規程の総点検
まず見直すべきなのが、
- 正社員就業規則
- パートタイマー就業規則
- 契約社員規程
です。
特に重点チェック項目は、
- 各種手当
- 退職金
- 賞与
- 福利厚生
です。
「待遇差の理由」を整理する
重要なのは、
“待遇差があること”ではなく、“合理的に説明できること”
です。
そのため、
- 業務内容
- 責任範囲
- 人材活用
- 配置転換
などを整理しておく必要があります。
労働条件通知書の見直し
採用時の説明内容も重要になります。
- 雇用区分
- 賃金制度
- 各種手当
- 昇給・賞与
などについて、わかりやすく記載することが求められます。
放置するとどうなる?
対応を放置すると、
- 労働局対応
- 是正指導
- 労使トラブル
- 未払請求
- 訴訟リスク
につながる可能性があります。
さらに近年では、
- SNS拡散
- 採用ブランド低下
- 離職率上昇
など、企業イメージへの影響も大きくなっています。
中小企業こそ早めの対応が重要
近年は人手不足が深刻化しており、
- 採用競争
- 若手定着
- エンゲージメント向上
の観点からも、公平な待遇制度が重要になっています。
特に大阪府内の中小企業では、
「制度を整備している会社が選ばれる時代」
になっています。
大阪綜合労務管理事務所がサポートします
大阪綜合労務管理事務所では、
- 同一労働同一賃金診断
- 就業規則見直し
- 賃金制度設計
- 労務監査
- 非正規雇用対応
- 労働条件通知書整備
など、企業の実務対応を総合的に支援しています。
複数の顧問先企業様は、今が時代の転換期と位置づけられ、実際に賃金制度、人事評価制度の制度設計、再設計、再構築を支援させていただいております。
「自社制度が問題ないか確認したい」
「何から始めればいいかわからない」
という企業様は、お気軽にご相談ください。
まとめ
2026年の同一労働同一賃金ガイドライン改正では、
- 退職金
- 家族手当
- 福利厚生
- 説明義務
などが大きく見直されます。
今後の企業経営では、
✅ 待遇差の整理
✅ 就業規則の見直し
✅ 説明できる制度設計
が不可欠です。
法改正への早期対応が、
- 労務リスク回避
- 採用力向上
- 人材定着
- 企業価値向上
につながります。
よくある質問(FAQ)」
Q. 同一労働同一賃金とは何ですか?
正社員と非正規雇用労働者との間で、不合理な待遇差を禁止する制度です。
Q. 2026年改正では何が変わりますか?
退職金・家族手当・福利厚生などの待遇差について、企業がより明確な説明を求められるようになります。
Q. 中小企業も対象ですか?
はい。中小企業も対象です。就業規則や賃金制度の見直しが必要になる場合があります。
参考資料
- 厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
- 厚生労働省「改正ガイドライン新旧対照表」


