【令和8年度最低賃金】大阪54円/京都兵庫和歌山56円の引き上げ目安|関西圏の中小企業が今すぐ準備すべきこと|大阪綜合労務管理事務所

令和8年度最低賃金改定をテーマに、人を育てる企業が地域の未来をつくることを表現した大阪城と経営者のイメージ

大阪・京都・兵庫・和歌山で人を雇用する事業主の皆さまへ、令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金改定の目安が、厚生労働省・中央最低賃金審議会から公表されました。

結論から申し上げると、大阪府は最上位の「Aランク」で引き上げ目安54円京都府・兵庫県・和歌山県は「Bランク」で引き上げ目安56円です。全国加重平均は1,176円(引き上げ率4.9%)となる見込みで、関西圏一帯で例年通り10月頃の改定が予想されます。

本記事では、大阪を拠点に京都・兵庫・和歌山の企業も多数ご支援している大阪綜合労務管理事務所が、公表資料をもとに「関西圏の事業主が今知っておくべきポイント」を分かりやすく解説します。

目次

令和8年度地域別最低賃金改定の目安とは

毎年7月頃、厚生労働省の中央最低賃金審議会が、都道府県を経済実態に応じてA・B・Cの3ランクに分け、それぞれの引き上げ額の「目安」を示します。これを参考に、各都道府県の地方最低賃金審議会が実際の改定額を審議・決定する仕組みです。

令和8年度の目安のうち、関西圏に関わる部分を抜粋すると次のとおりです。

ランク対象都道府県(関西圏抜粋)引上げ額目安
Aランク埼玉・千葉・東京・神奈川・
愛知・大阪
54円
Bランク北海道・宮城・京都・兵庫・
和歌山・広島・福岡など
]28道府県
56円
Cランク青森・秋田・高知・熊本・
沖縄など13県
56円

大阪府は東京都・愛知県などと並ぶ「Aランク」(都市部・大企業比率の高い地域)に区分される一方、京都府・兵庫県・和歌山県は「Bランク」に区分されており、引き上げ目安は56円と大阪よりわずかに大きくなっています。全国加重平均で見ると、引き上げ額は55円(昨年度66円)、引き上げ率は4.9%(昨年度6.3%)となる見込みで、上げ幅そのものは昨年度よりやや鈍化していますが、引き続き高水準の引き上げが続いています。

なお、この目安はあくまで参考値であり、各府県の実際の最低賃金額は、今後開催されるそれぞれの地方最低賃金審議会の審議を経て正式決定されます。例年の傾向を踏まえると、10月頃の改定・発効が想定されます。近年は目安どおりではなく、目安額を上回る答申を出す都道府県も多いため、関西圏でも各府県の審議動向を注視する必要があります。

なぜ引き上げられるのか:公益委員見解のポイント

中央最低賃金審議会の公益委員見解では、主に以下の3要素から今年度の目安が検討されています。

1. 労働者の生計費:食料品を中心に消費者物価は上昇局面が続くものの、上昇率は前年より鈍化傾向

2. 賃金の動向:春季労使交渉(春闘)の賃上げ率は全体で5%台、中小企業でも4%台後半と高水準が継続

3. 企業の賃金支払能力:売上高経常利益率や従業員一人当たり付加価値額は改善傾向にある一方、価格転嫁が十分に進んでいない企業や倒産件数の増加も指摘されている

つまり「物価上昇と賃上げの流れは続くが、中小企業・小規模事業者の対応力にはばらつきがある」というのが、今年度の目安のベースとなる認識です。

関西圏の中小企業が受ける影響

大阪・京都・兵庫・和歌山は、それぞれ産業構造や労働市場の特性は異なりますが、データからは以下のような共通傾向が読み取れます。

– 最低賃金に近い水準で働く労働者(最賃近傍雇用者)は、短時間労働者(パート・アルバイト)の女性が最も多い構成

– 産業別では宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、卸売業・小売業で最低賃金の影響を受ける労働者の割合が高い

– 労務費の価格転嫁は原材料費と比べて依然として進みにくく、「労務費が上昇しても価格交渉ができなかった」と回答する企業も一定数存在

特に観光関連産業の比重が大きい京都府、製造業の集積がある兵庫県、観光・農水産業を含む和歌山県では、それぞれの地域産業に応じた対応の考え方が必要になります。飲食・宿泊・小売・サービス業を中心に、最低賃金改定への対応(賃金表の見直し、シフト・人件費計画の再設計、業務改善助成金の活用検討など)が求められる企業が多いと考えられます。

関西圏の事業主が今から準備しておきたいこと

現在の賃金分布の確認:パート・アルバイトを含め、時給が新しい最低賃金額を下回る従業員がいないかを確認(大阪は54円、京都・兵庫・和歌山は56円の引き上げが目安)

賃金表・等級制度の見直し:最低賃金引き上げに伴う賃金の逆転現象(新人と中堅の賃金差の縮小)への対応

助成金の活用検討:業務改善助成金など、生産性向上とあわせた賃上げを支援する制度の確認

価格転嫁・取引条件の見直し:労務費上昇分を踏まえた取引先との価格交渉

複数府県に事業所がある企業は要注意:大阪と京都・兵庫・和歌山にまたがって事業所を持つ企業は、府県ごとに異なる最低賃金額・発効日が適用されるため、拠点ごとの管理が必要

これらは自社だけで判断するには専門的な知識が必要な領域です。特に賃金制度の見直しや助成金申請は、社会保険労務士の関与によってリスクを抑えながら進めることができます。

まとめ

– 令和8年度の地域別最低賃金、大阪府はAランクで引き上げ目安54円、京都府・兵庫県・和歌山県はBランクで引き上げ目安56円

– 全国加重平均は1,176円(引き上げ率4.9%)の見込み

– 正式な金額は今後の各地方最低賃金審議会で決定、10月頃の改定が想定される

– 関西圏で複数拠点を持つ企業は、府県ごとの金額・発効日の違いに注意が必要

大阪綜合労務管理事務所では、大阪を拠点に京都・兵庫・和歌山の企業様も含め、関西圏の中小企業の皆さまに向けて、最低賃金改定に対応した賃金制度の見直し、就業規則の改定、助成金申請サポートなど、労務管理全般をワンストップでご支援しています。複数府県にまたがる事業所の労務管理も含め、今回の改定への対応にご不安がある方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問(Q&A)

Q. 令和8年度の大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県の最低賃金はいくらになりますか?

A. 令和8年7月28日時点で公表されているのは「引き上げ額の目安」であり、大阪府(Aランク)は54円、京都府・兵庫県・和歌山県(Bランク)は56円の引き上げが目安です。実際の金額は今後、各府県の地方最低賃金審議会の審議を経て正式決定されます。

Q. 最低賃金はいつから適用されますか?

A. 例年の傾向では10月頃に改定・発効するケースが多いですが、正式な発効日は都道府県ごとの審議結果によって決まります。府県によって発効日が異なる場合もあるため、複数府県に事業所がある企業は特に注意が必要です。

Q. 大阪府はAランク、京都・兵庫・和歌山はBランクなのはなぜですか?

A. 経済実態(賃金水準・物価・雇用情勢など)に応じて全都道府県がA・B・Cの3ランクに分類されており、大阪府は東京都・愛知県などと同じく都市部の経済規模を反映したAランク、京都府・兵庫県・和歌山県はBランクに区分されています。

Q. 最低賃金引き上げへの対応は何から始めればよいですか?

A. まずは自社の従業員の時給が新しい最低賃金額を下回っていないか、拠点のある府県ごとに確認することが第一歩です。あわせて賃金表の見直しや助成金の活用検討も重要になります。詳しい進め方は社会保険労務士にご相談ください。

大阪綜合労務管理事務所について

大阪を拠点に、京都・兵庫・和歌山の企業様も含め、関西圏の中小企業を中心に、就業規則の作成・見直し、賃金制度設計、社会保険手続き、助成金申請など、労務管理に関する幅広いご相談に対応しています。最低賃金改定への対応など、労務に関するお悩みはお気軽にお問い合わせください。

(出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」令和8年7月28日公表、中央最低賃金審議会「目安に関する公益委員見解」)

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