食事補助の非課税限度額が月7,500円へ引上げ【令和8年度税制改正】企業実務を完全解説

令和8年度税制改正|食事補助は何が変わるのか?

令和8年度税制改正により、企業が従業員へ支給する食事補助(食事支給)の非課税限度額が見直されます。

物価上昇・食材費高騰を背景に、長年据え置かれていた基準が引き上げられました。

本改正は、単なる福利厚生の話ではなく、給与課税・社会保険・就業規則改定に直結する実務改正です。


目次

改正内容を図解で整理

■ 図解①:月額非課税限度額の引上げ

改正前
会社負担 3,500円(税抜)まで非課税

改正後(令和8年4月1日以後支給分)
会社負担 7,500円(税抜)まで非課税

※非課税となるためには「使用人等が食事価格の半分以上を負担」していることが条件です。


非課税となるための2つの要件

① 会社負担額が月7,500円(税抜)以下

「7,500円」は総額ではなく、会社が負担する金額の上限です。


② 使用人等が食事価格の半分以上を負担

例)

食事価格会社負担従業員負担非課税判定
1,000円600円400円×(全額課税)
1,000円400円600円
1,300円650円650円

会社が半分を超えて負担すると非課税要件を満たしません。

要件を満たさない場合、補助部分のみではなく全額が給与課税となります。


社会保険料との関係

税務上は非課税であっても、社会保険では取扱いが異なります。

定期的に提供される食事(例:昼食)は、原則として現物給与に該当し、
都道府県ごとに定められた評価額で標準報酬月額の算定基礎に含める取扱いとなります。

したがって、

・税務上非課税=社会保険も対象外
とは限らない点に注意が必要です。


残業・宿日直時の取扱い【全額非課税】

■ 図解②:残業時の現物支給

残業・宿日直実施

会社が無償で現物支給

全額非課税

これは福利厚生ではなく、業務遂行上必要な給付として扱われるため、月額7,500円の判定枠とは別です。


深夜勤務者の特例(1食650円)

深夜勤務(22時〜翌5時)で現物支給が困難な場合、

1食650円まで → 現金支給でも非課税
650円超部分 → 課税

通常は現金支給=課税が原則ですが、このケースは例外として認められています。


実務チェックリスト

✔ 就業規則・賃金規程は改正対応済みか
✔ 半額負担設計になっているか
✔ 税抜管理できているか
✔ 給与計算ソフトの上限設定変更
✔ 残業食事と通常補助を区別しているか
✔ 社会保険の現物給与評価を確認しているか


経営視点|なぜ今回の改正は重要か?

今回の改正は、実質的な「税制を活用した処遇改善」です。

・賃上げ原資を抑えつつ満足度向上
・採用競争力の強化
・物価高対応策
・福利厚生ブランディング

中小企業にとっては、戦略的活用が可能な改正です。


まとめ 制度点検をしましょう!

令和8年4月施行までに、制度設計を見直すことが重要です。

✔ 月7,500円(税抜)へ引上げ
✔ 使用人等が半分以上負担が条件
✔ 残業・宿日直は全額非課税
✔ 深夜勤務は1食650円特例

「非課税になると思っていたが、実は全額課税だった」、「改正を知ったけど手が回らない。」

という事態を防ぐためにも、専門家と制度設計を再確認することをおすすめします。

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